
撮影前に一番よく言われる言葉があります。
「うちの子、人見知りなんです。」
ほぼ、毎回言われます。
ママは少し申し訳なさそうで、
パパは少し心配そうで。
でも、僕はその言葉を聞くと
少しだけ安心します。
人見知りができるということは、
ちゃんと“人を見ている”ということだから。
知らない場所。
知らない大人。
慣れない服。
不安になるのは、当たり前です。
だから僕は、最初から笑わせようとはしません。
まずは距離を取る。
いきなりカメラを向けない。
名前もすぐに呼ばない。
親と話しながら、
子どもがこちらを“観察する時間”をつくります。
そして一番大事なのは、
親の緊張をほどくこと。
親が安心すると、
子どもも安心する。
これは何年やっても変わらない事実です。
人見知りは、弱点じゃない。
その子のペースがあるだけ。
そのペースを尊重できるかどうかが、
カメラマンの仕事だと思っています。
笑顔を無理につくるのではなく、
笑顔が出てくるまで待つ。
「ちゃんと撮れますか?」と聞かれるたびに思います。
ちゃんと撮るために、
ちゃんと待ちます。

